「ッ、葵くん、私、頑張るから!」

「なにをだよ」



葵くんが噴き出す。




「だから、ほら、勉強始めるよ!」

「はあ?なんでそうなるんだよ。さっき、休憩って」

「休憩は、いいの。おしまい。今日はもう、勉強するって決めたから」



葵くんの辛さとか、悲しみとか、苦しみとか。
私にはきっとすべてがわかることはできないだろう。

わかるよ、なんて薄っぺらい言葉は言えない。
私がいるよ、なんて、まだ心もとない。


だから、私頑張る。

葵くんがもっと幸せでいられるように。
葵くんの生活が、生きていく道がこれからも少しでも幸せでありますように。



「…しょうがないな。千世子って、結構頑固な」

「頑固でもいいの!」




頑張る方向が違うのかもしれないけど。
でも、我武者羅に何かに向かいたい。



私にできることを、探しながら。