「もちろん家くるよね?」小川は言う。



「うん。でも、突然行っていいの?」



「大丈夫、多分親は居ないし。あーでも部屋は片付けるから待っててね」




「うん。」と俺は緊張気味に言った。



電車に乗る。小川の自宅は駅を二つ過ぎたところにある。
建物が右から左へ現れては消え、その中を進む。車内は通勤ラッシュが過ぎ、少し淋しくなっている。
その中に陽射しは切り込んで、赤く色はなっている。




小川は隣に座っている。一体小川は何を考えているのか、あっちにとってみれば星山は何を考えているのか、分からない。まだそういう関係だということだろう。