いつしかあれだけ隅から見ていただけの俺と小川の距離は短くなり、話などたやすくできるようになったのが不思議でたまらなかった。





暗い部屋。いつしかの暗い部屋で俺と、ぼーっと目の先を見つめ、この先の自分についてした着地点のない考え事も、自己嫌悪も、学校も、すべてのことが小川と話していると忘れてしまう。消えてなくなってしまう。





だが、小川の顔を見た一瞬で、「小川は俺のことをつまらなく思っているのではないか」と頭の中で弾き出された瞬間、楽しかった気持ちは不安に変わった。思うに楽しさのピークはないのだと思う。