教室の扉が開いた。ひとりの女子が入ってきた。


肩にかからないかくらいのストレートヘアに少し茶色がかった髪の毛。白い肌。細い足。制服。飾りを付けた鞄。よくわからないが俺はその人しか見れなかった。


そしてもっと見たい、とおもってしまった。



この教室が安っぽく見えるほどの雰囲気だった。と俺は思う。



俺はすべての思考が停止したような、全身の力が抜けたような、とにかくビクっ、、としてしまったのである。理由は全く分からない。その俺の反応に田村は驚いて「どどでどうーした星山?」と問う。


俺はさっきまで準備していた言葉なんて勝手に捨てられていたらしい。








「俺、あの娘が好きだ。」













「は?」