「うちはもう、なーんか学校どうでもよくなっちゃった。」と空を見ながらつよがりに小川は言った。




「なんで?」と俺は問う。




「なんか、学校行くよりやらなきゃいけないような楽しいことがあるような気がして仕方がないの。実際、そんなものないだろうけど」


「だから学校にいく時間がもったいなく感じて嫌なの」


小川の声は勇気を出して言ったかのようで震えているようだった。
俺は、小川の言っていることすべてに納得した。
気付けば同じことをしているだけの日々が俺の前に通り過ぎている。ずっとこんな生活が続くようで果てしなかった。そんな心情を小川も感じていたのかもしれない。





「ああ、それわかるよ」
と、俺は言った。







それから沈黙があった





学校は風景に入り、無機質な色合いに変わっていった。




小川の足は突然止まった。


俺はつられて若干後ろで止まった。




小川は後ろを振り返る。




「逃げようか」