小川はとにかく俺に興味津々であった。
右目と左目をキラつかせながら、小川は俺に話しかけてくる。




俺は、小川の目が見れなくて、やるせない気持ちになった。
「ねー星山くんは最近何聴いてる?」




「うーん…SONICYOUTHとか」



「なにそれー!知らないー今度聞かせてよ」


といった具合に、小川の質問に答える流れを繰り返した。でも、微かに幸せは存在していた。





二人は陰を抜け、初夏が色づいている大通りへと出た。