「おはよう」俺は言った。




「今日、川島ちゃん休むらしいからひとりで来ちゃった。男子と二人で登校なんてあこがれるぞコノ〜」


「そうなんだ。いや、でも俺と二人じゃつまらんよね?」





「じゃあ、星山くんはうちと二人じゃつまらない?」




「いやいやそんな…」返答に困った。



「じゃあいこー。」と、小川は大袈裟に手を振りながら歩き始めた。



果たして小川は俺に対してどんな感情を持っているのか俺には把握できなかった。なんでこんな俺に笑いかけてくれるのだろう。と、思った。





昨日のキスが嘘のように感じた。






二人は、人通りの少ない裏道の黒がかった陰に入っていく