「長谷部さん大変だね…俺、キス初めてしたよ」
俺はいっぱいいっぱいだった。言っていることも訳が分からなかった。




「え!そうなんだ……ほんとごめんね…」


長谷部さんは再び泣きそうな表情へと変わった。





「いや!いや大丈夫だよ!だから泣くのはやめよう」



俺は冷静を装ったが、声が震えていた。




「バレーできなくなっちゃうんだ。長谷部さん頑張ってたのにね。…」





俺は頑張って勇気付けようと試みたが、童貞の情けない俺にとって、このくらいしかいうことができなかった。






「うん…もうあたしすることなくなっちゃった。高校つまんなくなっちゃったよ。はぁ、やっと落ち着いた」