「え?」とためらう暇もなく、長谷部さんがみるみる近くなって来た。俺は炭酸の泡が溢れ出てくるような感覚が頭の中でした。






そして、長谷部さんとの距離はなくなった。







唇と唇はひっつきあっている。






黒いカーテンの隙間から夕日が差し込んで来た。遠くで車が通ってる。ほこりが舞う。夕日に映った。俺は初めてのキスをしている。




長谷部さんはズブズブと俺の中に入り込んで来ている。
俺の体は液体になって蒸発してしまいそうなほどだ。



そして、なぜかできるだけこの時間は過ぎないでほしかった。





気付くと長谷部さんは泣いていた。だが、一生懸命俺にキスをしていた。


気のせいなのか、長谷部さんは途中の一瞬だけ「好き」と言った気がした。