三人は自転車置場へ向かい、木村は掲示板へと走っていった。掲示板は生徒でごったがえしているのでうまくかきわけても見れそうにないようだ。




「あいつさ、多分好きな娘と一緒のクラスになりたいんだと思うぜ。多分田坂だよ。あいつも盛んだぜ。」
望月は言った。田坂はクラスで話題になるほどの美人であり、狙っている男子(猛者ども)は多い。
「そうだよなぁ。あいつ田坂好きだよなぁ。俺たちは何の変哲もない平凡な毎日だよな」俺はそう言いながら、木村のあとについていった。





男子男子女子女子女子男子、と字で表すとごちゃごちゃ感がよくわかるほどの人の数をかきわけて掲示板に目をやった。俺はなにげにドキドキしている。



二年四組

星山涙



というのが読めた。そうか。四組か。ちなみに下の名前はナミダと付いているのでイジられまくった経験がある。名前の由来は聞いたこともない。



望月は「あっ俺二組!」と言った。ああ。望月とはお別れか。木村は我を取り戻して言った。
「俺も二組だ。てか涙のクラス知らないやつばっかじゃね?」ふと四組の名に目を通した。すると今までの友達は一人、軟式野球部の田村しかいなかった。茫然自失。