やはり、昼休みになっても小川は現われなかった。
憂鬱な一日。毎日同じようなことを繰り返しては、気付いたら眠りについていたという日々は、自分にとって当たり前になってきているのが怖い。


また、普通に部活動を行い、俺は音楽を聞きつつ自転車を漕いでいた。「でっかいこと」は今日も起きなかった。


おーい、とは前から声がする。イヤフォンから流れるナンバーガールの向井秀徳の声ではなく、前からこっちを向いている誰かだ。


誰であるのかは自転車を漕ぐにつれてクイズのように分かってくる。女子であるということ。身長は166くらいであり、髪型は肩にかかりそうだということ。目は澄んだ色をしている。俺は、答えまで五メートルのところで分かった。








小川