俺は今まで生きてきて、嬉しいこと悲しいこといっぱいあったろう。だが、忘れてきたこともたくさんあって。そんなこんなで今に至り、しょうもない高校生になってしまった。



今となっては、親友に彼女がいる現場に鉢合わせになり、恥をさらすしょうもない人間にすらなってしまった。
俺は今まで、平々凡々と普通な人間の普通な生活を送ってきてしまった。だからここらで何かやらかしてみたい。何かでっかいことを。




的なことを木本に話した。
「…で?でっかいことって何?」


「いやまあそりゃわからないけどさ」


「んだよ!なんもないんかよ!たとえばバンドやるとかよー」


「いや…楽器経験ないしよ…」


「まあ俺もドラムやってるからよー」


「マジで!?知らなかったわー」



長々と協議して出た結論としては、「堀北真希はかわいい」という事だった。嗚呼地獄。


「じゃあ小川に告白すればいいじゃんよ!」木本は言う。


「いやまあさ…そうなんだけどさ…」


「彼女できたら世界変わるとか言うけど、実際本当だからな!さあ、告白してみよ!レッツ告白!」


「無理。」と返した。「だって俺犯罪者と間違われたんだよ?しかも小川もう三組来てないじゃん」



「小川が来てないのは三組の女子と喧嘩したからと思うぞ。そー自虐的になるなって。」



「え」と驚いた。なにか心に渦巻いていた黒いモヤモヤが取れた気がした。そうだったのかと。