夜じみた街並みは非常に気持ち悪い風にあおられて、その中を進んでいる。
何をするわけでもなく、ただこのまま家に帰りたくない一心で俺はひとりでウインドウショッピング状態になっていた。


CDショップに入る。買いたいものは山ほどある。どうせならCDに埋もれたい。だが埋もれると角張って痛いので狸になりたいです。



何も買わない気で、店内をうろついた。わけのわからない流行りの歌が少し多めの音量で響いている。
こんな状況が何げにささやかな幸せランキングに入ったりする。俺は俺の人生だ。



BREAKfASTのCDを買おうか悩んでいる。ひたすらに。そのときひとり人間が隣にあるレゲエ的なコーナーに足を止めた。そんなことはどうでもいいと、恒例の「どちらにしようかな指差し」が始まろうとしていた瞬間だった。同じ高校のセーラー服だった。