通っている県立麒麟高校までは自転車で二十分かかる。その二十分の間、俺は色々なことを考えることができる。頭の中で。決まって今日はクラス替えのことばかり考えていた。





仲のよかった木村と望月という男がいる。高校になってから初めてできた友達だ。あいつらは一緒になるのだろうか。同じ軟式野球部のやつらはいるのだろうか。ますます気になっていくばかりである。







コンビニは寝呆けている。まだ肌寒い春の朝、平らな道路のうえには俺しか居ない。見えるものの二分の一がコンクリートだ。そのコンクリートの海を泳いでいるかのように進む。ずっと。