小川。おがわ。オガワ。OGAWA@。名前を聞いただけでピカチュウに殺されたような感覚が頭を走ってゆく。

「そーなんだ!つか、なんで知ってんの?」


「いや一年の時に一緒だった。結構話してたよ。」



俺はなにか嫉妬心のようなものが体にのしかかってきたようだ。あーそうか。木本さんは小川さんとアレでアレだったんだ。まあイケイケな二人だから仕方ない。付き合って学校一のイケイケカップルとして活躍する人たちなんだ。
という勝手な被害妄想しか浮かばなかった。



「あーそうなんだ!(明らかに棒読み)じゃあ木本と小川さんはいい関係なの?」


「そんな訳あるかい!わしゃ彼女おるねん」


少し腹が立つ関西弁だが、彼女がいることによって小川さんが守られたことによる安心と、やっぱり木本に彼女がいるんだということに対する孤独感みたいなものが混在している。
そのとき、木本は言った



「でもさ、小川って結構クラスではいい方じゃね?」

「…だ、だよな!だよな!」


俺はなにか焦った。だが、その反応で木本は「あー。そうなんだ。」という表情でこっちを見ている。イケメンだ。小川さんは笑っている。