朝の光がまぶしく、めざましテレビに出てくるどこぞのアナウンサーの笑顔もまぶしいのは誰にでも訪れる平凡な朝だ。平日だ。




俺は制服、だらけきった髪をどうにかしながら前々から恐れていた今日のことを考えていた。クラス替え、高校二年、友達、進路、担任、と様々なキーワードが頭から離れずにいた。
ふと鏡を覗いてみてもそこにはだらしのない男の面しか存在しなかった。そして鞄を持った。






一階から「涙、はやく支度済ませなさい」とモグラみたいな母に言われ、何も言わずに玄関を出た。





今日は快晴だ。オードリー・ヘップバーンだ。なーんにもない空は青い。この空が続いてモンゴルまで届くなんて信じられないと現実逃避気味に感じてみた。
今日の朝は朝じゃないと思った。