「シオちゃん」
「あ、ごめんね。解けた?」
「うん、解けたよ」
──彼、は。
「答え合わせするから、そっちの問題やっててもらっていい?」
「うん、わかったー」
たとえ奈々が、私を殺そうしても。
私のことを、護ってくれると言ったけど。
「……梨緒、全部あってる」
「本当っ?やったぁ!」
正直、彼にそんなことして欲しいわけじゃない。
護ってくれるのは嬉しいけど、命を投げ出してほしいわけじゃない。
「シオちゃん、この範囲なら理解出来そうだから、凌くんのところ行ってくれていいよー」
「そう?じゃあ、行ってくる」
──私、は。
たぶんすごく、わがままなんだと思う。