「そうだよね」
くすくすと笑った沙和は、私の少し上で「あ、」と視線を止める。
その視線の先を、追えば。
「麗」
「……どうした?」
話題の中心である、麗がいて。
「どこ行ってたの?」
「……怪我の具合聞いてた」
「ああ、それで」
救護室から出てきたんだ、と。
ひとり納得した沙和は、「頑張ってね」と私に声をかけたあと。
「ちょっと麗に話があって」
「……ああ」
麗と、幹部室に入っていった。
自分の勉強をしていない私が言えることではないけれど、彼は勉強しなくていいんだろうか。
一応、沙和の実力なら勉強しなくても大丈夫だと思うけれど。