「俺等幹部が護りたい姫は、今でもシオだけ」
「っ、」
「トップはアイツ。
だから龍錬花の全てを決めるのは、麗だけど」
でも、と彼は小さく笑った。
「幹部にも、選ぶ権利ぐらい欲しいかな」
「え」
「麗はさ、きっと自分ひとりで何かを解決しようとしてるんだよ。
アイツは、たぶんその悩み以上にシオのことが好きで堪らないんだよ」
「っ……」
そんな、の。
「ちょうど奈々ちゃん、さっきまた体調悪いって早退するみたいだったから。
麗に、聞いた方が良いんじゃないかな」
「聞く、って」
「アイツが抱えてるもの、全部聞いてやろうよ。
それでこそ、仲間でしょ?」
「沙和……」
「それで、早く解決して。
シオは本来の姫に戻ろう」