どうしてそこまで、私のために。
「どうしてそこまで頑張ってくれるの……?」
私の言葉に、沙和は少しキョトンとして。
「どうしてって言われても、当然のことだからね」
「当然って、」
「裏切り者は排除する。それだけ。
でも、俺等はそのせいで間違った」
「………」
「あの時あの子が、偽の情報を流さなかったら。
シオはきっと、今でも俺等の姫だった」
「それ、は」
わからないけど。
「俺はね、本来あるべき龍錬花に戻したいんだよ」
「本、来?」
「うん。ちゃんと、護られる姫がいて。
幹部は姫を護るっていう本来の姿にね」
今の、龍錬花だって。
別にそこまで、逸れてるわけじゃないのに。