向日葵の問いに対して男の子は何も言わず去って行った。

「っ…みんなね,あ~やって遊ぶのが楽しいんだって。ボタンにも泥ついちゃったね。大丈夫?」

向日葵はそう言ってぼくについていた泥をはらってくれた。

向日葵は優しい。

優し過ぎるんだ。

ドウシテニクマナイノ…―??

ニククナイノ…―?


「憎しみから平和は生まれないんだよ?」

向日葵はぼくの声に応えるように返事をくれた。

キコエルノ…―?

「不思議だね。ボタンがお話してる気がするよ。」

やっぱりぼくの声は聞こえない。

けど,伝わった。

少し嬉しくなった。

「向日葵ねぇ,お日様みたいになりたいの。」

向日葵の言葉の意味がぼくには理解出来なかった。