そんな時ある1人の男の子が泥団子を持って向日葵に近寄って来た。

向日葵は男の子に微笑む。

ぼくはその後とんでもない光景を目にした。

「やぁっ。」

男の子が持っていた泥団子を向日葵に投げつけた。

泥団子の欠片は,ぼくにもたくさんとんできた。

向日葵はただ茫然としていた。

イタイ…―。

ぬいぐるみの僕にでも向日葵の痛みはわかる。

泣きそうな顔をしてぐっと涙をこらえる向日葵の姿は痛かった。

ナカナイデ…―。

向日葵はぐっとぼくを持つ手に力を入れた。

次の泥団子が飛んでくる。

「っ…これ何て言う遊び??」

泥団子を投げられても投げられても向日葵はイラついた表情1つ見せず笑顔で返す。