「えぇー! じゃあさ、夏休みはキス止まりっ!?」

「そうなのよー。もう信じらんないっ」



ようやく完璧な笑顔ができるようになって満足していると、トイレの外から女の子たちの声が聞こえてきた。



「ラブホに行ってもさ、なんにもないんだよ」



不満そうに言う女の子の声……。

この声、どこかで……。


顔だけをトイレの外にひょっこりと出すと、該当する女の子グループがトイレ前で話し込んでいた。


そして、あたしに背を向けるようにして立っている女の子が、不満を口にしている張本人で……。



「普通さぁ、ラブホ連れて行けば絶対その気になるよね? なのに、なんにもしないってどうなの!?」