「そっかぁ……」
親友の翠川くんがそう言うのだから、間違いはない。
でも、笠原くん本人から言われたわけじゃないし……。
「……あれ?なにこれ」
「えっ?」
さっきまで笠原くんが見ていた、開きっぱなしになった雑誌。
あたしが手に取ろうとすると、翠川くんが慌てふためいて雑誌を取り上げる。
「ねぇ、いまのページ……。『藁人形』とかって書いてなかった?」
「はっ!?気のせいじゃない?だいたいこれ、ファッション雑誌だぜ?」
表紙を堂々と見せる翠川くん。
確かに『藁人形』などという不気味な物とは縁のないファッション雑誌だ。
「なんだ、気のせいかぁ」
「そうそう、気のせいだよー」