聡くんから『計画』を打ち明けられた日のことを思い出す。

夏休みの学校に呼び出されたあの日……。


聡くんは「俺と付き合おう」と言った。

でもそれは、純粋な告白なんかじゃなかったんだ――。





『……えぇっ!? 翠川くんと付き合っているふり!?』

『そっ。尾関が俺と付き合い始めたら、章吾はどう変わるのか』



芝生をぷちぷちとむしりながら、聡くんはいたずらっ子のように笑った。

あたしは「笠原くんを騙すなんて」と、断ったけれど、翠川くんは一歩も引かなかった。



『笠原くんには成美ちゃんっていう彼女が……』

『……成美ちゃん……ねぇ』



意味ありげに言葉を吐きながら、翠川くんは芝生をむしる手を止めて空を仰いだ。