隠し事はよくないと、あたしはすべてを話した。
もう笠原くんを好きじゃないと言ったこと。
今は聡くんだけを好きだと告白したこと。
「そっか。つらかったな」
「………」
「でも、嘘も方便。時として、嘘は良い方向にいくこともあるんだ」
「そうかな」
「そうだよ。たとえば、由香が本当に俺のことを好きになってくれたりとか?」
「え……っ」
気まずそうな顔をしたあたしを見て、聡くんはぷぷっと吹き出す。
そして、あたしの髪の毛をクシャクシャにしながら言葉を続けた。
「うそうそ! 冗談だって!」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…