翌日。
待ち合わせの場所にやって来た笠原くんと成美ちゃんは、幸せそうな笑顔で手を繋いでいた。
二人が来るギリギリまで、あたしは今日の計画がつぶれてしまうことを必死に願っていたんだ。
「……さて、行くか」
笠原くんはあたしのことなんか、見向きもしない。
成美ちゃんだけを、見ている。
「聡くん、歩くの早いよ」
「あっ、悪ぃ悪ぃ」
あたしを見ることなんか絶対にないと分かっているのに……。
笠原くんと成美ちゃんの少し前を歩く聡くんを、小走りで追いかけ、あたしは強引に聡くんの手を握りしめた。
「由香ちゃんたちって、仲いいねー」