「……えっ?ダブルデート?」
「そう。俺たちと、章吾と成美ちゃんで」
夏休みを半分過ぎたころ。
聡くんが持ちかけてきた、ダブルデートの計画。
優しい聡くんは時々、酷なことをさらりと提案することがある。
言葉を失うあたしに、聡くんは優しく微笑む。
「章吾が彼女と一緒にいるところに慣れないと、この先やっていけないぞ」
分かってる。
苦しいくらいに、それは分かりきっていること。
「うん、分かってるよ」
「章吾にも話したら、あいつ、えらい乗り気だったよ」
「……笠原くんが!?」
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