「まさか笠原、あんたに傾いてきたとか!?」

「うそっっ。あぁ、でも、もしそうなら話しかけても無視されないよねっ?」

「え、ちょっと……」



小さなチャンスも逃さない。

これ、鉄則。


たとえ窓の外を見ていただけであったとしても。

そこにあたしがいるって分かっているのなら二度も見ないはず。


足早に笠原くんの席に近づいていくと、あたしの気配に気付いた笠原くんの表情が少しずつ凍りつき始める。



「笠原くん!」



何を話そう。

あ、そうだ。

携帯の番号とアドレスを教えたのに連絡来ないから、そのことを突っ込んでみようか?