「俺はさ、章吾を好きでいる尾関が好きなんだよ」
「……えっ?なにそれ……」
「まぁ、最終的には俺のこと好きになってもらえたら言うことナシなんだけどな」
「……ますます意味が分かんないよ」
言っている意味が分からなくて、しきりに首を傾げるあたしを見て、翠川くんは笑う。
「俺と付き合ったら、絶対、幸せになれるぞ」
「………」
ふと、思い出した。
あたしが小学生の頃に、笠原くんに送ったラブレターを。
いま翠川くんが言った言葉と同じくらいに臭い言葉を、あたしは笠原くんに送ったんだなぁ。
「なんだよ、なに笑ってんだよ」
「ううん、なんでもない」