「……ちょっと翠川!」

「あ?」



休み時間は、笠原くんといつも一緒にいた翠川くん。

あの子が来るようになって、翠川くんはいつも自分の席で雑誌を読むようになった。



「あれ、なによ」



愛美はムッとした顔で、楽しそうに寄り添っている笠原くんたちを顎でさす。



「あぁ、あれは……、隣のクラスの子」

「んなこた分かってるわよ!どういう関係かって聞いてんの!」



喧嘩腰になって愛美は問い詰める。

翠川くんは、やれやれといったように首を小さく振り、溜息を漏らしながら答えた。



「千賀成美。章吾の彼女だよ」