あれから一ヶ月経つというのに、笠原くんからの連絡はまったくなかった。



「……あらっ?」

「え?」



ガヤガヤと賑やかな休み時間。

窓辺に背を預けるようにして、だらしなく立っていた愛美がシャキンと背筋を伸ばす。



「なに?どうしたの?」

「いや、気のせい……かな」

「なによ」



もったいぶって、その先をなかなか言おうとしない愛美。

その視線の先には、笠原くんの姿があった。



「いま、笠原……、あんたのこと見てた」

「――えぇっ!?うそっ!」



あたしのことを見ていた。