突然の質問に戸惑いながらも、あたしは、笠原くんを好きでいる年数を指折り数える。



「小学三年生の頃からだから……、七年……。あぁ、八年目になるのかな」

「ずっと、章吾ひとり?」

「もちろん。浮気もせずに、笠原くん一筋!」

「……あれだけ嫌われているのに?」



そんなこと……、言われなくたって分かっている。

でも、笠原くん本人の口から言われるまでは頑張ろうって決めたんだ。

頑張ったから、今日、笠原くんと普通に話せたんだし……。



「そうそう。嫌われているけど、好きなんだよー」



あたしはバカみたいにヘラヘラ笑いながら、二問目の問題にとりかかる。


なんだか、今日の翠川くんは意地悪だ。

今までずっと、核心的なことは言わなかったくせに。

中学時代に、バレンタインのチョコを笠原くんの代わりに食べてくれた翠川くんの笑顔が浮かぶ。