笠原くんが喋ってくれた、と、大はしゃぎしていると……。
「おまえに言ったんじゃねぇぞ」
笠原くんは、はっきりとあたしの顔を見て続けて言ったんだ。
あたしは夢でも見ているのかな。
小学生の頃からずっと無視され続けていたのに。
しかも、あたしのこと「おまえ」だなんて……。
「おまえって……。なんだか夫婦みたい」
口をついて出てきたあたしの言葉に、笠原くんは「はぁ?」と顔をしかめる。
あたしと笠原くんのやり取りを見て、声をかけてきた男子は、
「なぁんだ、やっぱり付き合ってんだろ?」
と、ニッと笑みを浮かべた。