――それは、親友についた、はじめての嘘。



章吾は、間違いなく尾関を好きだ。

ただ、自分で気づいていないだけだ。



いずれ自分の気持ちに気づいた章吾が、後悔する姿なんて見たくない。

尾関と章吾。

本当は同じ気持ちなんだから――。



親友の章吾に、はやく自分の気持ちに気づかせてあげたい。

ずっと俺が思い続けた尾関の泣く姿なんか見たくない。



眠る尾関に軽くキスした瞬間から――。

章吾と尾関の関係を何とかしようと決めたんだ。



同時に、尾関への気持ちを封印したんだ。