「クソッ、あのバカ女……。すっげームカツク」



だけど、俺は大切なことに気づく。

ことあるごとに、尾関の文句ばかり言っている章吾。


尾関と同じ高校への合格が決まった日から、章吾はお百度参りをしたという。

毎晩、毎晩、入学式前夜まで。


『どうか、同じクラスになりませんように』


必死に願いを込めて、深夜の境内を素足で何往復としたらしい。



無残にもその願いは叶えられなかったわけだけど。


次に章吾は、通販で『呪いの藁人形』を購入したんだ。



嫌いだと言いながらも、章吾の頭の中は、ずっとずっと尾関のことばかり。