その手紙がイタズラではなく、尾関の真剣な気持ちであると気づいてからも、章吾は毛嫌いし続けたんだ。



章吾を思って泣きじゃくる尾関。

俺は毎年恒例の『渡せなかったチョコ』を口にするたびに、尾関のことを好きになっていた。



高校だって……。
自分に合ったレベルだから受けたんじゃない。


尾関が受けると聞いたから、俺も受けた。



高校に入学したら、俺は尾関に告白しよう。

章吾みたいな冷血漢よりも、俺の方が尾関を幸せにできる。



――そう、思っていた。