いびつな形をした、手作りのチョコレート。

ハート型ばかりで、章吾に対する彼女の「好き」があふれていた。


でも……。


半分以上が、キレイに真っ二つに割れていたんだ。



「ハート型はダメだよ、尾関」



俺が呆れたように言うと、彼女……尾関は、ハッとした顔で覗き込んだ。



「うっ……」



割れているハートのチョコを見て、また、泣き出す。



「泣くなって! 今度はハート型以外にしろよ」



そう言って、俺はチョコレートをパクリと口に投げ込む。