フーフーと荒い息を立てながら激怒するわたしを、タロウさんは「まぁまぁ」となだめました。



「縁結びの神様がついているんだよ、あの二人には」


「え……、縁結びの……神様」


「そう。僕たちは狛犬。神様に逆らうわけにはいかないんだ」



そう……。

そうなのよ。


狛犬としてのプライドを崩してでも、神様には従わないといけない悲しき運命。



「……しかたないわ。神様がついている以上……」


「でしょう??」



深い溜息をついたわたしに、タロウさんは、にこりとお日様のような笑顔を見せてくれました。