驚くわたしに、タロウさんは温かい笑顔で話し始めました。



「一年間だけ同じクラスにして、あとはずっと離れ離れにするんだよ」


「うんうん」


「でもさ? 二人は赤い糸で結ばれているわけだから、いずれは一緒にさせるよ」



な……、なんですって――!?


この男の子の欲張りな二つの願い。

こんなに簡単な願い事なのに、一つは叶えてあげないと言うの!?



「タロウさん!? あなた、狛犬としてのプライドを持っているの?」


「え……」


「こんなに簡単な願い事さえも叶えてあげないなんて……!!」