「あと、尾関由香と、一生、離れられますように!」



まぁ!

欲張りな男の子ね。

二つも願い事しているわ。


でもこれも、わたしとタロウさんの手にかかれば、どうってことのない願い事。



「尾関由香って女の子は、そんなにイヤな子なのかな」



さっさと願い事を叶えてあげましょう。


そう思ったときに、タロウさんがぽつりと呟きました。



「お百度参りしているくらいだから、きっとそうなんじゃないの?」



神社の境内を何往復もする男の子。


その姿を見て、タロウさんは「うーん……」と唸り始めたのです。