「じゃあ、あたしのこと『好き』って言って?」

「……は?」

「笠原くんが『好き』って言ってくれたら頑張れるから!」



必死になって言うあたしに、笠原くんは呆れた顔を見せる。



その呆れ顔にカチンときたあたしは、


「じゃあ結婚しない!!」


子供のように頬を膨らませて、プイッとそっぽを向く。



「あー、もう分かったから。『好きです』。これでいいだろ?」



また、いいかげんな『好き』という言葉。


でも、あたしはそれだけで幸せな気分になるんだ。