ずっとずっと、
あたしは、たった一人の人だけを思い続けてきた。
『大嫌い』だと言い続け、
あたしとの接触を避け続けてきた彼……。
笠原くんの気持ちを知るまでは本当に苦難の連続で。
やっと思いが通じ合っても、また、試練が訪れる――。
「えー!? そんなの酷いよ!!」
それは大学四年の春。
笠原くんは『彼氏』となっても、やっぱりあたしに厳しかった。
「別に酷くねぇし」
「結婚しようって言ったじゃない!」
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