「……成美ちゃん」



あたしの隣に立って、笠原くんたちのやり取りを微笑ましく見つめていた成美ちゃんに声をかける。



「あたし……、ごめんね。あの時、殴ったりして……」

「謝らないでよ。悪いのはあたしだったんだから」



深く頭を下げたあたしに、成美ちゃんはにこっと笑った。


そして、


「今度は……本物の結婚式に呼んでね」


そう言って、あたしが持っていたブーケを指で軽く突いた。



「よし、由香! 撮影始めるぞ」



準備が整った聡くんに呼ばれ、あたしは転ばないように、ゆっくりと笠原くんのもとへと歩いていく。