あの日から……
笠原くんに『大嫌い』と言われた日から……

ずっとずっと避け続けてきた話――。



「うん」



あたしは、こくりと小さく頷いた。


もうどれくらいになるんだろう。

笠原くんと会えなくなって。

笠原くんを好きになって。


それなのに、
あたしは笠原くんのことを思うと、未だに胸がドキドキして、しめつけられるように苦しくなる。



「そっか。それはよかった」

「……えっ?」