返事がないと分かっているからこそ、あたしはいとも簡単に送信ボタンを押した。


だけど……。

送信先不明で、あたしが送ったメールがそのまま返ってきたんだ。


笠原くんはメアドを変えてしまっていて。

もうこれで、笠原くんと会うことは二度とないんだろう。

――そう思ったら、涙がこぼれた。





聡くんとは、高校を卒業してからも連絡を取り合っていて。

あたしたちの仲は何も進展することなく、いい友達付き合いを続けている。


カメラマンという夢に向かって走り続けている聡くん。

そんな聡くんが初めての大きな仕事を掴んだのは、あたしが大学三年のときだった。



「……えっ? モデル? あたしが!?」

「そう!」