これ以上、笠原くんに嫌われたくない。

そして、一番大切な、これからの進路のことにも集中しないといけない。



「よし、視聴覚室に行こう!」



少しスッキリした気分で、あたしはトイレを先に出る。

後を追ってくる愛美。


ゆっくりと近づく視聴覚室。

その前には、笠原くんと成美ちゃんがまだいたけれど……。


あたしは堂々とした態度で、愛美と二人、その後ろをスッと通り過ぎて行った。



もしもあたしが、大学に合格できたら……。


ほんの少しでいいから、
笠原くんの『大嫌い』が減りますように……――。