「ここにだって入学できたんだよ? 赤点も取らず、補習も受けず、無事に二年に進級できたじゃない!」



うん、確かに。

それもすべて、笠原くんの後を追いかけていたから。

一緒に二年に進級しないと、ここに入学した意味がないって。



「由香なら大丈夫だよ。翠川は、専門学校に行くって言ってたねぇー」

「あー、そういえば……」



聡くんはカメラマンになりたいと言って、大学じゃなく専門学校に進学することを選んだ。

写真を撮っている聡くんの姿なんか一度も見たことがなかったから。

少し意外だったなぁ……。



「ねっ、愛美は?」



あたしが聞くと、愛美は静かに笑った。