【本当にごめんね。あたしのせいで】
謝ったら余計に怒りを買ってしまいそうだな。
ううん、怒りを買うことぐらい覚悟しなきゃ……。
――だけど……。
笠原くんは、大好きな成美ちゃんの本当の気持ちを知ってしまって落ち込んでいるかもしれないわけで……。
あたし……、笠原くんの落ち込んだ顔なんて見たくない。
いつもの笠原くんに戻ってほしい。
【ごめんね】と打ちかけたメールをすべて消去して、あたしは新しい内容のメールをゆっくりと打ち始めた。
「……と思うから……。よしっ、送信……っと!」
こんなバカげた内容のメールを見た笠原くんは、きっとこう思ってくれるはず。
『バカのくせに調子にのりやがって』って。