翌日、学校に向かうあたしの足取りは今までにないくらい重かった。

足かせでもついているのかというくらいに、足が本当に重くて。

何度も家に引き返そうかと思った。



今日、聡くんは朝イチで笠原くんに話すと言っていた。


いつもなら、笠原くんを見るのが日課になっているのに……。

今日だけは笠原くんを見ることが怖くて、あたしはずっと目をそらし続ける。



廊下側にある笠原くんの席に、思い切り背を向けて、窓の外をぼんやりと眺める。

窓の外から、秋の涼しい風が吹き込んでくる。



ねぇ、笠原くん。

真実を知っても、成美ちゃんと付き合い続けるの?

成美ちゃんを好きだから……。

成美ちゃんの願いを聞き届けて、笠原くんは成美ちゃんを……。



「――……っ……」